[判決言い渡し日] |
平成13年12月4日 |
[発明の名称] |
畳のクセ取り縫着方法及び畳縫着機 |
[主要論点] |
@均等論の第1要件の本質的部分の意義及び第2要件の判断 A被告製品は、請求項に記載した構成のうちの「直線基準定規」を「無」に置換したものであり、この差異が均等であるという特許権者の主張に対する判断。 |
[判例の要点] |
@特許出願時において公知技術であった事柄は、たとえ発明の特徴である作用に必要不可欠な構成要素であっても、均等論第1要件にいう本質的部分とはなりません。 Aこうした要素が被疑侵害品の構成に存在しないときには、均等論の第2要件(置換可能性)の有無に着目するべきであり、当該要素を欠くことにより、特許発明の作用・機能を発揮できないときには、置換可能性がないと判断されます。 |
[本件へのあてはめ] |
@特許発明(畳縫着機)の構成要件である「直線基準定規」は、特許出願人が明細書の従来技術の欄に記載した先行技術の内容を参酌すると、その寸法基準面を基準としてミシン本体のX軸方向の現在位置を計数するという方法を採ることにより、切断刃が畳に食い込む力によって、ミシン本体、レール及び畳台に歪みが発生しても、その歪みによる誤差を補正したX軸方向の現在位置をフィードバックして、ミシン本体を目標の設定位置に確実に移動でき、ミシン台のY軸方向の走行に伴い切断刃によって畳を寸法どおりに正確に切断することができるという作用効果を有するところ、被告製品は、そのような作用効果を有しないから、均等論の第2要件を充足しません。 |
[先の関連判決] |
[後の関連判決] |
平成24(ネ)第10018号(不完全利用論) |
詳細を知りたい方はこちらをクリックして下さい |
見出しへ戻る |