[判決言い渡し日] |
平成15年10月89日 |
[発明の名称] |
人工乳首 |
[主要論点] |
国内優先権の主張の条件(先の特許出願との同一性) |
[判例の要点] |
後の出願に係る発明が先の出願の当初明細書等に記載された事項の範囲のものといえるか否かは、単に後の出願の特許請求の範囲の文言と先の出願の当初明細書等に記載された文言とを対比するのではなく、後の出願の特許請求の範囲に記載された発明の要旨となる技術的事項と先の出願の当初明細書等に記載された技術的事項との対比によって決定すべきです。 |
[本件へのあてはめ] |
@後の出願の特許請求の範囲の文言が、先の出願の当初明細書等に記載されたものといえる場合であっても、後の出願の明細書の発明の詳細な説明に先の出願の当初明細書等に記載されていなかった技術的事項を記載することにより、後の出願の特許請求の範囲に記載された発明の要旨となる技術的事項が、先の出願の当初明細書等に記載された技術的事項の範囲を超えることになる場合には、その超えた部分については優先権主張の効果は認められません。 A本件の場合、先の出願の発明の目的(母親の乳首に近似している人工乳首を提供する)、効果(人工乳首がシリコンゴムで形成され、かつシリコンゴムの厚みが伸長部では比較的薄く、剛性部では比較的厚く構成されることにより、剛性が低下することなく全体が伸長することができる)と、後の出願の実施例の効果(伸長部である肉薄部を螺旋形状に形成することにより哺乳運動の際、人工乳首がより伸びやすくなる)とすると、後者の効果は伸長部を螺旋としたことによる固有の効果なので、先の出願の記載事項を超えており、国内優先権は認められません。 |
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