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●249 F. Supp.823 「梳綿機」事件

Abington Textile MacH. Wks v. Carding Specialists Ltd.,


進歩性審査基準/特許出願の要件/梳綿機

 [判決言い渡し日]
1965年9月29日
 [発明の名称]
梳綿機(Cotton Carding Machine)
 [主要論点]
類似の分野(analogous art)の間での技術要素の転用の自明性、当業者のレベルの解釈


 [判例の要点]
 類似の分野の間での技術要素の転用の難易を論ずるときには、本質的な問題は、類似分野の技術を転用することを当業者が思い至るか否かを技術常識に照らして判断することです。

 この点を省略して、当業者が技術要素を転用することを決めた後に当該技術要素を特許出願の請求項に限定された態様で適用することが容易か否かを論ずるべきではありません。

 当業者は、その分野での通常のスキル(ordinary skill)を有するものであり、通常以上のスキル(extraordinary skill)を有する人達を基準として、自明性の判断をするべきではありません。

[本件へのあてはめ]
@本件発明の要旨は、ファイン・コットンの分野に属する梳綿装置に、類似の技術分野(ウーレン、ウーステッド、コットンコンデンサー)で公知であった、ウェブ繊維中の夾雑物を破砕する手段(バールクラッシャー)を適用することの要否です。

A従来技術中のバールクラッシャーは連続する複数のカーディング機構の中間にあり、本件発明の梳綿機では単一のカーディング機構の次に置かれているという違いがありますが、この場所にバールクラッシャーを配置することには困難性はない、と考えられます。しかし問題は、当業者が単一のカーディング機構を有する梳綿機にバールクラッシャーを適用すると決定した後に、適用位置として上述の場所を選択することが自明かどうかではなく、単一のカーディング機構を有する梳綿機にバールクラッシャーを適用すると決定することが自明かどうかです。

B法廷において一人の大学の教授は、その決定を行うことは自分にとって自明であると証言しました。裁判所がそれを疑う理由はないですが、彼は、通常以上のスキルを有するものですので、彼にとって自明でも進歩性が否定されることにはなりません。

Cこの発明の当時にバールクラッシャーの次に再びカーディングを行うことが重要と考えられていたことを、複数の証拠が示しています。

D類似の技術分野で単一のカーディング機構を使用することに言及する証拠も若干存在しますが、同時にそれらは重大な不都合(繊維へのダメージ)を警告していました。

Eさらにバールクラッシャーの特許の年から本件発明の特許の時まで実に72年間に亘って誰も当該クラッシャーを単一のカーディング機構を有する梳綿機に適用しなかったという経緯があり、この長期間の不実施も発明の困難性を推認させるものです。

G従って裁判所は、本件特許は進歩性を有し、有効であると判断します。

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