[判決言い渡し日] |
昭和53年3月30日 |
[発明の名称] |
光学的明色化剤及びその製造方法 |
[主要論点] |
進歩性判断における引用文献中の示唆 選択発明の効果の評価 |
[判例の要点] |
(1)本願発明と引用発明との相違点が有限の選択肢の中での置換に過ぎず、その置換を阻害する事情もないときには、本願発明の構成は示唆されていると言い得ます。 (2)選択発明の進歩性に関して効果を主張するときには、先行発明と異質の効果であるか、同種の効果であって極めて優れている効果でなければなりません。 |
[本件へのあてはめ] |
(1)本願発明の3―位ハロゲン体(具体的には3―位クロル体)が、引用例に実施例としてあげられた2―位クロル体および4―位クロル体と化学構造上置換位置しか相違していないこと、 そしてベンゾール核Bにハロゲン原子を含有する場合におけるその置換位置についてはこれを特定の位置に限定する趣旨の記載がないこと を考慮すると、本願発明で使用する3―クロル体は、引用例に示唆されているといえます。 (2)(原告は、作用の優劣において、引用例の2―位クロル体および4―位クロル体の実施例<引用例の置換基のない実施例<本件特許出願の3―位クロル体であることは到底予測できないと主張するが)、結局多少効果が優れているという程度に過ぎず、際立った効果があるとは言えないから、選択発明の進歩性を認めることはできない。 |
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