
|
| [判決言い渡し日] |
| 平成13年4月25日 |
| [発明の名称] |
| 即席冷凍麺類用穀紛 |
| [主要論点] |
| 用途発明の拡大された先願の地位 |
| [判例の要点] |
|
@特許法第29条の2(拡大された先願の地位)を適用しようとする特許出願の対象が用途発明である場合に、先願発明も用途発明でなければならず、かつ先願発明は未完成発明であってはなりません。 A用途発明は、既知の物質のある未知の属性を発見し、この属性により、当該物質が新たな用途への使用に適することを見いだしたことに基づく発明であると解すべきです。 B用途発明が完成された発明と認められるためには、当該技術分野における通常の知識を有する者が反復実施して目的とする効果を挙げることができる程度にまで具体的・客観的なものとして構成されていることを要します。 |
| [本件へのあてはめ] |
官能試験によれば、願明細書の記載において、タピオカ澱粉を特定割合で他の穀粉と配合した先願発明につき、その効果として、単に喫食可能な即席冷凍麺類が製造できるということ、すなわち、穀粉類のみから成る即席冷凍麺類用穀粉という従来技術以下の効果を奏することしか開示されていないとすれば、先願明細書上、用途発明である先願発明が、当業者が反復実施して所定の効果を挙げることができる程度にまで具体的・客観的なものとして構成されているとは到底いうことができず、したがって、先願発明が完成した用途発明として開示されているということはできない。![]() |
| [関連する先の判決] |
| 昭61(オ)454号(未完成発明の意義) |
| [後の関連判決] |
| 詳細を知りたい方はこちらをクリックして下さい |
| 見出しへ戻る |