体系 |
商標制度に関する事項 |
用語 |
商標権の存続期間の更新制度の趣旨 |
意味 |
商標権の存続期間の更新制度とは、商標権の実体の同一性を担保しつつ、その効力をさらに一定期間存続させる制度をいいます。ここではその趣旨を解説します。
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内容 |
@商標権は、自他商品・自他役務の識別標識である商標に使用によって蓄積された業務上の信用を保護対象とします。従って使用により業務上の信用が生じている限り、権利が存続し、信用を保護し続けていくという恒久性が、商標権の本質として要求されます。
そういう意味で後述の特許権の存続期間とは事情が異なります。
しかしながら、最初から商標権を無限の権利とすると、次のような不都合を生じます。
すなわち、商標権者の事業が廃止されたり、或いは指定商品・指定役務の業務を辞めたりすることで、保護対象が消滅した商標権が温存され、他者の商標選択の余地を不当に制限することになります。
商標権の更新制度は、このように不要になった商標権を整理するための制度です。商標権者は不要になった商標権に対してあえて手数料を支払って更新申請をすることはないと考えられるからです。
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他法との関係 |
特許権の存続期間は、有限性を本質としており、恒久的に存続するということがありません。
これは特許出願の対象である発明は、新規性や進歩性を本質としており、所定の期間を経過した後に特許権が消滅し、その発明を公衆の自由実施に委ねるという約束事のもとで特許されるからです。
特許権の存続期間の延長制度はありますが、これは特許出願の実体審査が予想以上に長引いて本来の特許権の存続期間の浸食を生じたときにこれを補填するためのものであって、無限に権利範囲を延長するものではありません。
これに対して商標権の存続期間は、前述の通り恒久性を前提としています。商標出願の対象である商標(自他商品・自他役務の識別マーク)は選択物であり、創作性がないからです。
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留意点 |
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