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 商標に関する専門用語
  

 No:  043   

商標出願/識別力/簡単かつありふれた

 
体系 商標制度に関する事項
用語

きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標

意味  きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標とは、商標の構成上の簡易性或いは普遍性より商品又は役務(以下「商品等」という)の識別力を営み得ず、或いは一私人に独占させることが適当でないと認められる商標をいい、商標出願しても登録を受けられません(商標法第3条第1項第5号)。


内容 @きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標を登録対象から除外する趣旨

 商標は、自他商品或いは自他役務を識別する目印(標識)として、商品に付され、或いは商品や役務の広告に使用されるものであり、商標登録を受けることで特別な保護が与えられます。

 しかしながら、商品の形態や広告には、識別標識以外にも、商品等の品質(例えば鉛筆の硬さを表すHなど)や等級(1級など)、機能(電池の電極を表す“+”、“−”など)のような何かを表す目印が使われています。

 従って商標の構成がアルファベット一文字(H)、数字一文字“1”、一本の線分“−”のように非常に簡単であるか、或いはありふれていると、もはや上述のような他の何かを表す目印との区別がつかなくなり、識別機能が低下するか、又は少なくとも一私人に独占させるのに適しないものとなります。

 そこで商標法は“きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標”を登録対象から除外しています。

A「きわめて簡単でかつありふれた」の意義
(a)「きわめて簡単でかつありふれた」という文言は、「かつ」という文言を含んでいますが、この「かつ」は厳格には解釈しないということが一般的な理解です。

(イ)審決例では、アルファベット二文字を片仮名で表した商標を本号に該当するとした事例があります。

 事例1−商標「ケーディー」(指定商品:製図および図案用機械器具)
  理由:ありふれたアルファベット「KD」の片仮名表記に過ぎない。
  事件番号:昭和40審1680

 事例2−商標「ジーピー」(指定商品:燃料等全商品(7類))
  理由:ありふれたアルファベット「GP」の片仮名表記に過ぎない。
  事件番号:昭和41審9213

(b)本号に該当する具体例
 仮名一文字、アルファベット1文字・2文字は原則として本号に該当します。
 数字(洋数字)は、桁数によらず、原則として本号に該当します。商品の価格、型番などを表すために普通に使用されるからです。

B商品との関係
 片仮名一文字、「特」のように商品の性質を示す文字を輪郭を表す図形(○など)で表す場合には、本号に該当することが多いと言えます。

 但し、商品との関係でそうした形で表現することが一般であるものに関してはこの限りではありません。

 例えば片仮名の“ツ”を○で囲った商標(指定商品:缶詰など)に関して、識別力を認める(本号には該当しない)と判断した事例があります。
きわめて簡単でかつありふれた標章のケーススタディ1(商品との関係)


留意点

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