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@禁止権の意義
商標出願に対して登録査定が出されると、商標権が付与されます。この商標権の中心部分が専用権であり、これは、指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という)について他人の登録商標を独占排他に使用できる権利です(商標法第25条)。
これに対して、商標権の周辺部分が禁止権であり、これは他人の使用を禁止できるだけの権利です。
商品又は役務(以下「商品等」という)の出所混同を防止するために緩衝地帯として禁止権を認めているのです
→禁止権の機能
A禁止権の内容
(a)登録商標の類似範囲には、指定商品等と同一の商品等についての登録商標の使用、指定商品等と類似の商品等についての登録商標の使用、指定商品等と同一の商品等についての登録商標と類似の商標の使用の3態様があります。
(b)登録商標とは、商標登録を受けた商標をいいます。但し、登録商標と色彩のみ異なりかつ登録商標と類似する商標は、登録商標に類似する商標ではないものとみなされます(商標法第70条第3項)。
B禁止権の効力
(a)商標権者は、禁止権の範囲での他人の使用を排除することができます。すなわち、他人の使用に対して差止請求権を行使することができ、また一定の条件の下で損害賠償を請求することができます。
(b)商標権者は、禁止権の範囲で自ら使用することができる権利を有しません。他人の権利と抵触しない場合に、事実上の使用が許されるに過ぎません。
C禁止権の取り扱い
商標権者が禁止権の範囲で故意に他人の商品等との誤認・混同を生ずる使用をしたときには、何人も不正使用取消審判を請求することができます。
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