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@条理解釈の意義
(a)条理解釈とは、法体系や規定の趣旨を念頭に、条文に論理をあてはめて解釈することをいい、規定の文言の通常の意味や文法の通りに規定を解釈しようとする文理解釈に対する概念です。
(b)法律を規定するときに、千変万化に異なる事例の全てに妥当するように条文を作成することは不可能ですので、ときに文理を離れて条理解釈をする必要があります。
(c)条理解釈をするときには、法的安定性を阻害しないように、具体的妥当性を実現するようにすることが必要です。
A条理解釈の内容
(a)例えば、商標法第3条第1項第5号は、「きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標」であることを商標出願の登録要件として掲げられていますが、これを文法通りに解釈すると、きわめて簡単であるとともにありふれていなければならないことになります。
しかしながら、この規定に関しては、 (イ)簡単でなくてもありふれた商標、
(ロ)きわめてありふれていなくても簡単である商標 も該当すると解釈されています。
いずれか一方にのみ該当する場合であっても、識別力を発揮しにくく、商標出願に登録査定をすることが妥当でないからです。
(b)商標法の解釈として、立法趣旨や商標の性質に鑑みて、規定中の用語を減縮して解釈することを言います。これを減縮解釈と言います。
→縮小解釈とは(商標法の)
(c)また商標法の解釈として、立法趣旨や商標の性質に鑑みて、規定中の用語に意味を広く解釈することがあります。これを拡張解釈と言います。
→拡張解釈とは(商標法の)
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