No: |
113 つつみのおひなっこや事件件/商標の類似/商標出願 |
体系 |
商標制度に関する事項 |
用語 |
商標の類似の重要判決・つつみのおひなっこや事件 |
意味 |
つつみのおひなっこや事件は、外観上まとまりよく一体的に表現されていることなどを考慮して、商標の一部を抽出して類否判断するべきでないと判示した事例です。
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内容 |
@つつみのおひなっこや事件の意義
本件商標の“つつみ”は仙台市堤町の土人形の堤焼の産地であり、「おひな」は
ひな人形を表す語であり、「こ」は東北地方の方言の語尾に見られる語、そして「や」は職業としての「屋」を感じさせる文字です。したがって本件商標はウィークマーク(識別力の弱い言葉)の羅列に見えないこともありません。しかしながら、単なる言葉の羅列であれば“堤のおひなっこ屋”とでも書くところを、わざわざ、全ての言葉をひらがなでかつ同じ大きさで切れ目なく表現したところに本件商標の特殊性があると言えます。最高裁はこの点に着目して類否判断をしました。
Aつつみのおひなっこや事件の内容 事件番号:平成19年(行ヒ)第223号(最高裁)
本願商標・引用商標:“つつみのおひなっこや”ד堤” (非類似) 指定商品:土人形
事件の種類:商標登録無効審判棄却判決取消事件(2審認容判決を棄却)
原審は、本件商標の構成のうちの“つつみ”の部分から地名又は人名の観念が、“おひなっこや”からは“ひな人形屋”という観念があるが、両者を分離できないというほどに一体的に結合しているとは言えないとして、請求を認容しました。
しかしながら、最高裁は、原判決を覆しました。なぜなら、本件商標は、各文字の大きさや書体が同一であり、一行にまとまりよく表されており、「堤」の文字だけが見る者の注意を惹くようにできていないからです。
「つつみ」の部分が特別需要者の注意を惹くようにできていれば別ですが、そういう事情もないために、本件商標の一部を抽出したり、分離して類否判断をするべきではないため、本件商標は引用商標と非類似と判断されました。
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留意点 |
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