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@1商標の意義
(a)1商標1出願の原則の下では、政令で定める商品及び役務の区分に従って、商標を使用する一又は二以上の商品若しくは役務をして指定して商標ごとに商標登録出願をしなければならないとされています(商標法第6条)
(b)「商標ごと」とは、1商標ごとの意味であり、これは、一般に、取引上一個のまとまった標識として需要者に認識されるものを言うとされています。
(c)“一個のまとまった標識”と認識される限り、文字及び図形の組み合わせであって、それぞれの要素から異なる称呼・観念が生ずるものでも構いません。
A1商標の内容
(a)例えば社章と商品の呼び名との組み合わせなども一商標となります。
(b)実務上は、商標出願を紙で行っていた時代から、いわゆる商標見本(台紙に商標を記載したもの)に記載した商標を一商標と認めることが通常でした。
従って、よほどのことがない限り、例えば一の商標出願の願書に複数の商標見本を添付したりしない限り、1商標ごとの要件に違反することはありません。
なお、今日では、商標出願を電子出願で行うことが一般的となり、商標見本というものは使われなくなりました。
(c)もっとも、講学上では、多数の商品名を数列に羅列するような構成であって、それぞれの商品名が別個の種類に商品・役務に使われることが明らかなものは、1商標とは言えないと言われています(網野誠著「商標」参照)。
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