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@商品及び役務の区分の意義(a)1商標1出願の原則の下では、政令で定める商品及び役務の区分に従って、商標を使用する一又は二以上の商品若しくは役務をして指定して商標ごとに商標登録出願をしなければならないとされています(商標法第6条)。
(b)「政令で定める商品及び役務の区分」とは、前記施行令第1条別表に掲げるものであり、国際条約(ニース協定)に準拠した区分が掲げられています。
→ニース協定とは
A商品及び役務の区分の内容
(a)「政令で定める商品及び役務の区分」は、1商標多区分制度の下では各区分毎に所定の料金を納付する単位となります。
ここで区分を設けた理由としては、
・1商品等を単位に商標出願を行わせると商標権が無数に増えて煩雑であり、
・他方、一定の登録料で無制限に商品等を指定させると、非常に広い範囲で商標権が成立し、第三者の商標の選択の自由を不当に制限するからである
と言われています。
(b)「政令で定める」としたのは、区分の範囲を政令に委ねることで区分改正を容易にする趣旨です。商標法で定めてしまうと区分の改正毎に国会を通すことが必要になり、簡単ではないからです。
・現在の政令では、ニース協定の国際分類を主体として分類が定められ、各分類の商品等の詳細は省令に委任され、省令別表に例示されています。
・例示ですから、別表以外の商品も使用できます。そうでなければこれまで世の中に存在しなかった新商品などが指定できなくなるからです。
しかしながら、「第○類に属する全ての商品」という記載の仕方は、かつては認められていましたが、現在では許されません。
商品及び役務の区分の例示的な性質より、指定商品の範囲が不明確となるからです。
(c)「区分に従って」より、区分毎に区別して1出願で多 区分に亘る商品などを指定できます。
商標法条約で1出願多区分制を採用することが義務付けられているからです。これにより、区分毎の願書の作成が不要となり、手続が簡略され、商標権の管理及び調査が容易になると期待されています。
(d)商品及び役務の区分は、商品等の類似の範囲を定めたものではありません(商標法第6条第3項)。
前者は、審査の便宜のためのもの、後者は商品等の出所混同の範囲を規定するものであり、性質が異なるからです。
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