体系 |
特許申請及びこれに付随する手続 |
用語 |
特許出願の請求項に課題解決手段が反映していない場合 |
意義 |
課題解決手段が請求項に反映していない場合とは、特許出願の明細書に発明の目的(課題)及び課題解決手段が記載されていながら、その記載を超えて請求項で保護を求めている結果として当該手段が請求項に反映されていないことを言います。
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内容 |
①請求項に課題解決手段が反映していない場合の意義
(a)特許出願の要件として、サポート要件があります。
サポート要件とは、特許出願人が特許を受けようとして請求項に記載した発明が発明の詳細な説明に記載されたものであることです。
(b)特許の審査基準では、特許出願のサポート要件違反の類型の一つ(第4類型)として、“請求項において、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになる場合”が挙げられています。
例えば明細書に発明A、Bが記載されており、発明が解決しようとする課題の欄に発明Aの課題Oaのみが記載されていたとします。特許出願をする時点では、発明Aに特許が取れれば十分と考えていたものの、後日、当該特許出願を分割して発明Bに係る特許出願をしたとします。
発明が解決しようとする課題の欄に明示的に記載された課題が分割出願の請求項に記載された発明の課題として不合理であるときには、
明細書・図面の記載の全体及び特許出願時の一般常識を踏まえて課題が判断され、
それでも、請求項に係る発明が、発明の詳細な説明において“発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲”を超えるときには、サポート要件違反となります。
②請求項に課題解決手段が反映していない場合の内容
具体例として特許審査基準から次のような想定事例を紹介します。
{発明の詳細な説明の記載から把握できる課題}
自動車の速度超過防止ということのみが記載されている。
{発明の詳細な説明の記載から把握できる課題解決手段}
自動車の速度上昇に伴いアクセルペダルを踏み込むのに要する力を積極的に大きくする機構のみが把握できる。
{請求項に記載された発明}
自動車の速度上昇に伴いアクセル手段を操作するのに要する力を可変とする操作力可変手段を設けたという構成が記載されている。
{サポート要件の判断}
特許出願時の技術常識を考慮しても、速度上昇に伴い操作力が減少する場合には発明の課題が解決できないことが明らかであるため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになり、サポート要件違反となる。
これ以外の事例に関しては下記を参照して下さい。 →特許出願のサポート要件違反のケーススタディ(第4類型)
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留意点 |
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