内容 |
①消滅時効の意義
(a)民法167条には
・債権は、10年間行使しないときは、消滅する(1項)。
・債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときには、消滅する(2項)。
と規定されています。
(b)例えば建物撤去・土地明渡請求事件で消滅時効(消滅期間の長さ)が論点となった事例があります(昭和41年(オ)1362号)。
“土地明渡”に類似する概念として、特許法には、真の発明者でない者が特許を受ける権利がないのに特許出願(いわゆる冒認出願)をした場合に、真の権利者(特許を受ける権利を有する者)が特許権の移転を請求できるという規定があります(特許法74条第1項)。
→特許権の移転請求権とは
(c)もっとも、特許権の場合には、“特許出願の日から20年を持って終了する。”(特許法第67条第1項)と規定されています。例外として存続期間が延長される場合があるとしても、特許出願の審査にも相当の時間がかかることから、現実問題として、特許権自体に関して消滅時効が問題になることは考えにくいと思われます。
②消滅時効の内容
(a)特許侵害により損害賠償請求権が発生した場合には、当該請求権は時効により消滅します。
(b)不法行為による損害賠償請求権には期間の制限(時効期間の特則)があります(民法724条)。
・損害及び加害者を知った時から3年間 or
・不法行為の時から20年間
|