No: |
1074 進歩性の判断(数値限定)/特許出願 |
体系 |
実体法 |
用語 |
進歩性の判断(数値限定の解釈) |
意味 |
数値限定とは、特許出願人が発明特定事項として数値を用いて当該事項の範囲を指定することを言います。
|
内容 |
①数値限定の意義
特許出願の審査において、発明特定事項として数値限定が含まれている場合に、これとぴったり対応する先行技術を見出すことは簡単ではありません。しかしながら、一般的に行って、ある目的の下で実験的に数値範囲を最適化し、或いはより良いものとするために努力することは、当業者にとって通常行うべきことです。
従って、当該特許出願に係る発明(クレームに記載された発明)が進歩性を有するというためには、その数値限定を選択することが当業者にとって容易ではないことが必要です。
そして、それを証明するためには、一般に
(イ)前記数値限定に臨界的意義が存在すること
(ロ)特許出願人がその臨界的意義を明細書上に明らかにしていること
が必要であると解釈されています(平成17年(行ケ)第10665号) →数値限定のケーススタディ(進歩性の判断)
②数値限定の内容
(a)数値限定の臨界的意義とは、数値限定の範囲の内と外とで作用効果が異なることを必要とします。
→数値限定の臨界的意義とは(進歩性の判断において)
(b)数値限定の臨界的意義は、特許出願の当初から明細書に記載されていなければなりません。
すなわち、数値限定だけを特許出願時に明細書に記載しておき、新規性や進歩性を欠如するという拒絶理由が来た段階で意見書において臨界的意義を明らかにして反論するということはできないと考えておくべきです。
特許出願人が開示した新規な発明を公開する代償として特許権を付与するという制度の目的からすれば、数値の意義という発明の一番重要なところを隠して保護を求めるということはあってはならないことだからです。
|
留意点 |
|
次ページ
※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 |
|