体系 |
権利内容 |
用語 |
共同発明者 |
意味 |
共同発明者とは、技術的思想の創作に実質的に協力し、発明を完成させた者をいいます。
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内容 |
①共同発明者の意義
(a)共同発明者は、技術的思想の創作に実質的に関与している者、換言すると、発明の完成に必要とされる何かのアイディアを出した者です。
(b)例えば課題解決のための方向付けとなるようなアイディアを出した者と、その方向付けを実現する具体的なアイディアを出した者とは共同発明者となり得ます。
(c)これに対して、部下である研究者に一般的な課題を与えた者は共同発明者ではありません。
(d)また単なる実験の手伝いやデータの整理をするに過ぎない協力者は、共同発明者ではありません。
例えば発明者の指示に従って本件発明に係る装置の作成等を担当したに過ぎない者は、発明者でない旨の判例があります(昭和53年(ワ)第1416号
・ 昭和52年(ワ)第1107号)。
これは、ある企業乙の研究者丙が長年の研究・開発の最終段階で発明品である装置の製作を、外部の技術者甲に対して依頼し、甲が3月程度の期間内で試作を繰り返して装置を完成させ、その装置に関して単独で特許出願を行ったという事例です。特許出願人である甲は、自らが特許を受ける権利を有することの確認を求める訴訟(→確認判決とは)を提訴し、乙は反訴請求を行いましたが、裁判所は、前述の通り判断しました。
→真の発明者のケーススタディ
②共同発明者の内容
共同発明者は、特許を受ける権利の共有者となり、共有者は他の共有者と共同でなければ特許出願をすることができません(特許法第38条)。
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留意点 |
上記③に関して、課題解決の方向付けを提案した着想者と、その着想を実現した者との共同発明を求めた事例として、昭47(行ケ)25号(球弾遊戯具事件)があります。
→共同発明とは
もっとも、課題解決のための方向付けとなる着想が公開され、公開された着想を利用して、無関係の他人が着想を実現したときには、着想者は共同発明者ではありません。両者には協力関係がないからです。
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