体系 |
審判など |
用語 |
特許無効審判 |
意味 |
特許無効審判は、行政処分である特許に法定のキズ(瑕疵)がある場合に、その特許権を遡及的に消滅させるために請求する審判です。
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内容 |
①特許権は、審査主義の下で、特許庁-技術的事項専門の行政機関-が特許出願の実体的要件を審査して付与されます。その審査の精度を高めるために、出願公開後には情報提供による公衆の審査協力も利用しています。それでも審査官の過誤や公衆の看過により瑕疵(キズ)のある特許出願に対して独占排他権が成立する可能性があります。また特許出願の査定の段階では瑕疵がなくても、その後に瑕疵のある権利となる場合があります(→後発的無効理由)。こうした権利を放置すると、無用の紛争を生じ、産業の活動を阻害します。そこで特許無効審判の制度が採用されています。
②特許無効審判を請求する者は利害関係人でなければなりません。平成15年の異議申立制度の廃止に伴い、何人も請求できる制度になっていましたが、異議申立制度の復活により請求人適格に関しても元通りとなりました。
但し、特許法第38条の共同出願要件(特許を受ける権利が共有に係るときには共有者全員で特許出願しなければならない)に違反して、或いは特許を受ける権利を有しない者による特許出願(いわゆる冒認出願)について特許が付与されたときには、真の権利者のみが無効審判を請求できます。
③特許無効理由は、特許出願の実体的要件(新規性・進歩性など)の欠如を含む一定の事由であり、特許法第123条第1項に限定列挙されています。
④無効審判の請求は、審判請求書の提出により行います。
(a)審判請求書には、請求の趣旨及び請求の理由を記載しなければなりません。
(b)請求の趣旨とは、本件特許の請求項1を無効にすることを請求することです〔→請求の趣旨とは(無効審判の)〕
(c)請求の理由とは、所定の先行技術に基づいて当該請求項は新規性・進歩性を欠くとする如くです〔→請求の理由とは(特許無効審判の)〕
⑤無効審判には、参加の制度があります。
⑥特許が無効となったときには、特許権は遡及的に消滅し、また特許出願人に対する保護(補償金請求権など)もはじめからなかったものとなります。
⑦本審判の審決が確定したときには、一事不再理の原則が適用されます。
⑧無効審判の請求に対する対抗手段として、無効審判の手続の中での明細書等の訂正が、また無効審判への予防手段として訂正審判がそれぞれ設けられています。
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