内容 |
①従来の特許法第126条には、訂正審判を請求項毎に請求できる旨の記載が存在しておらず、特許が2以上の請求項を有する場合において、その請求項を訂正するときには、特許出願に添付した明細書・特許請求の範囲・図面を対象として、1個の特許に対して訂正審判を請求しなければならない、と解釈されていました。
しかしながら、訂正審判は、特許無効審判に対する防御手段という意味合いがあります。そして特許無効審判は請求項単位で請求できます。例えば甲の特許が相互に独立の請求項1及び請求項2を含んでおり、請求項1に関して乙との間に侵害事件が発生し、次に請求項2に対して丙との間に侵害事件が発生したときに、それぞれ訂正審判を請求できると有利です。そこで請求項単位の訂正審判を認めました。
②但し、特許が含む複数の請求項のうちで省令で定める一定の関係を有する一群の請求項(一の請求項が他の請求項の記載を引用している関係)にあるとき、その一群の請求項のうちの一項を訂正しようとするときには、一群の請求項全体について訂正審判を請求する必要があります。そうしないと、請求項同士の関係が複雑となり、特許請求の範囲の一覧性を欠く状態になるからです。
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