今岡憲特許事務所マーク

トップボタン
 パテントに関する専門用語
  

 No:  1168   

受動債権/特許出願/

 
体系 法律全般
用語

受動債権

意味  受動債権とは、相殺をする際に相殺を受ける側の債権者の債権をいいます。


内容 @受動債権の意義

(a)例えば事業者が銀行からお金を借りて、その貸出金の弁済期限が来ている場合であって、その事業者が当該銀行の預金者でもあるときには、原則として銀行は、事業者に通知をすることにより、貸出金と預金とを相殺することができます。

 こうした場合に、相殺をする側(銀行)の債権である貸出金は、自働債権と呼ばれ(→自働債権とは)、これに対して、相殺を受ける側(事業者)の債権である預金は、受動債権と呼ばれます。

A受動債権の内容

(a)特許出願人(甲)に対して新規発明の公開の代償として付与される特許権は独占排他権であり、特許権者は、自ら実施をして利益を上げることができるとともに、実施を希望する者(乙)に特許ライセンスをして実施料(X)を得ることができます。

(b)もっとも、その特許発明が当該特許出願の日前に出願された他人(丙)の特許発明を利用するものであったり、その特許権が当該特許出願の日前にされた他人(丙)の意匠権等を侵害しているものであるときには、乙は実施をすることができません(特許法第70条)。敢えて実施を望むときには、別途、丙とライセンス交渉をして、通常は実施料(Y)を支払って新たなライセンス契約をする必要があります。

(c)こうした面倒を嫌って、ライセンシー(乙)はライセンサー(甲)に対して、この特許発明は、第三者の権利を侵害しておりませんという保証を求めることがあります(→非特許侵害保証条項とは)。

(d)こうした保証をしたのにも関わらず、後日、第三者丙の権利を侵害しており、このために別途丙に対して実施料の支払いという損害が生じたときには、甲との契約に“隠れた瑕疵”があったことになり、乙は甲に対して損害賠償の支払いを求めることができるのが通常です(→瑕疵担保責任とは)。

(e)この場合には、乙が実施料Xを甲に支払い、甲が賠償金(実施料Y相当額)を乙に支払う代わりに、乙が自らの債権(実施料Y)を、甲の債権(実施料X)のうちの対当額と相殺させることができます。相殺される甲側の債権(実施料Yに対応する額に限る)を受動債権といいます。


留意点

次ページ

※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。


 

パテントに関する専門用語一覧へ戻る




今岡憲特許事務所 : 〒164-0003 東京都中野区東中野3-1-4 タカトウビル 2F
TEL:03-3369-0190 FAX:03-3369-0191 

お問い合わせ

営業時間:平日9:00〜17:20
今岡憲特許事務所TOPページ |  はじめに |  特許について |  判例紹介 |  事務所概要 | 減免制度 |  リンク |  無料相談  


Copyright (c) 2014 今岡特許事務所 All Rights Reserved.