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①Dedicationの法理の意義
(a)一般論として、特許出願人がクレームに記載された構成の一部を置換した構成であっても、実質的に同じ機能を発揮し、実質的に同じ態様で、実質的に同じ効果を奏するものであれば、Doctrine
of Equivalents(均等論)が適用されます。
(b)しかしながら、米国特許出願の明細書(written
description)に開示されていながら、クレームに記載されていない事柄は、もはや均等論によって回復されません。公衆に供されたもの(dedicated)とされるからです。
(c)Dedicationの法理は、特許出願人に最も広いクレームを記載して、特許庁の審査を受けるように促すものです。
②Dedicationの法理の内容
(a)Dedicationの法理は、“明細書(written
description)に開示された”事柄に適用されます。
従って発明の実施形態の欄に限らず、先行技術の欄に開示された事柄にも適用されます。
ある事例では、クレームに“延長された、柔軟な金属製のストリップ”(an elongated, resilient metal
strip)と記載されていました。これに対して、明細書の発明の詳細な説明には、“延長されたストリップは、スレンレスのような金属で形成すると良いが、他の適切な材料で形成しても良い。”と記載されており、さらに先行技術の欄には、“他の従来技術では、モールドされたプラスチックが用いられているが”と記載されていました。
係争物は、プラスチック製のストリップが使用されていました。
裁判所は、プラスチック製の態様は公衆の使用に供されたものであり、均等論によっては回復できない、と判断されました。
PSC
COMPUTER PRODUCTIONS.INC v.FOXINTERNATIONAL.INC 69 USPQ 2d 1460
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