体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
訴訟ホールド(Litigation hold) |
意味 |
訴訟ホールドとは、欧米法において訴訟や司法調査などの可能性があると判断される段階で「関連した全ての資料・情報をそのままの状態で安全に保存する」という処置です。
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内容 |
@訴訟ホールドの意義
(a)訴訟の結果を左右するのは証拠集めです。例えば特許無効の確認訴訟が提起される可能性が生じた段階で、特許権者側が発明者(特許出願人)の残した研究開発に関する記録や特許出願前の先行技術に関するメモを廃棄するようなことがあれば、裁判の公平性が担保できません。
(b)2006年に定められた民事訴訟規則(FRCP)では電子的に保存された情報に関してE-ディスカバリーを規定しており、訴訟ホールド(Litigation
hold)についても言及しています。
A訴訟ホールドの内容
(a)訴訟ホールドは、3つの措置からなります。
・関係者(例えば当事者会社の従業員)に対する電子情報の保存義務の通達
・電子情報の分別保管
・継続的な保存
(b)これらの措置は訴訟の可能性が発生した段階で直ちに厳格に行う必要があります。
例えばアップルとサムソンとの特許訴訟では、被告は数度に亘って従業員に対して電子情報の保存を指示する通達を出しています。それでも、重要な情報の分別などを怠ったため、結果として原告に有利な証拠を含む可能性がある電子メールが削除されました。
Apple Inc. v. Samsung Electronics Co., LTD, et al., →訴訟ホールドのケーススタディ
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留意点 |
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