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1299 トライアルコート/特許出願(外国) |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
トライアルコート(trial court) |
意味 |
トライアルコート(trial court)
とは、オリジナルの裁判管轄権を有し、この範囲で最初に証拠及び証言が導入され、受け取られ、審理される裁判所をいいます。
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内容 |
@トライアルコートの意義
(a)トライアルコートは、或る事件の第一審としてトライアル(事実審理)を行う裁判所です。→トライアル(Trial)とは
トライアルコートの役割は、事実を認定すること(finding of fact)と、適用する法律を見出すこと(finding
of law)です。
(b)トライアルには、陪審トライアル(jury
trial)と陪審によらない裁判官のみのトライアル(bench trial)とがあります。 →陪審トライアルとは
(c)トライアルは、口頭主義の下で行われます。具体的には、法廷に証人を呼んで証言を聴取したり、証言及び書証の争点を巡って論争を展開するのです。
トライアルコートの上級審はコート・オブ・アピールといいます(→コート・オブ・アピールとは)。
コート・オブ・アピールの役割は、事実認定に関する誤り及び法律解釈を判断することであり、トライアルコートによる事実認定を基礎として審理が行われます。
Aトライアルコートの内容
(a)トライアルコートでは、非常な手間ひまをかけて当事者の主張を慎重に吟味し、何が事実であるかを明らかにする責務を負います。
事実関係を当事者から直接聴いたトライアルコートの裁判官は、当該コートの結果を書面で知る上級審の裁判官に比べて、事実関係の機微により直接的に触れることができると考えられるのです。
(b)トライアルコートの審理の重要性を説いた裁判例として、GRAVER TANK & MFG. CO., Inc., v.
LINDE AIR PRODUCTS CO(339 U.S. 60)があります。
この事案では、特許出願前の公知技術に関連して特許の有効性について地方裁判所(トライアルコート)→控訴裁判所(コート・オブ・アピール)→最高裁判所まで争われ、特許の有効性が確認された後に、均等論を適用して特許権の侵害を肯定することの是非が争われた事例です。
この事件において裁判所は、特許が有効である旨の先行する裁判所の判断に立ち入らない旨の立場を明確にし、その理由として次のように述べています。
・特許の有効性に関する証拠の意義に対して光を照らすのは、トライアルコートにおいて科学的デモンストレーションを通じて行われるべきである。本案件のトライアルは3週間に亘って行われ、トライアル判示は、弁護士及び技術者とともに実験室を訪問した。判事は、本件特許で開示された通りの溶接方法、訴追された溶接方法、及び、様々な段階での先行技術の溶接方法についてのデモンストレーションを観察した。そして彼は、溶接作用についての様々な絵図を見て、多くの専門家及び証人の話を聞いた。トライアル判事は、これら証拠の下に、係争物と特許された組成物とは作用及び結果において実質的に同一であることを見出した。
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留意点 |
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