体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Counselとは(法律上の) |
意味 |
Counselとは、米国の法律の分野において全ての裁判上の実務を行うことを認められた代理人を意味します。
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内容 |
@Counselの意義
(a)Counselの意味は、本来は“専門家による助言”ですが、これから転じて“法廷で誰かを代理するための弁護士又は弁護士の集団”を意味します(Oxford
dictionary)。
Counselを訴訟代理人と訳することもあります。
(b)英国では、弁護士の職務は、法廷での弁論を担当する法廷弁護士(barrister)と、法廷外の事務を担当する事務弁護士(solicitor)とに分かれます。
これに対して、米国では、英国のような職務により弁護士を二分化することは行われていません。
米国のCounselは、民間の法律事務所では、法廷での弁論だけでなく、ディスカバリーの手続や和解交渉、法律相談なども行います。
このため、米国の“Counsel”の使い方は曖昧です。
判例の文章では“Counsel”や“Solicitor”という言葉が出てきますが、実際にはそれほど明確に使い分けられておらず、lawyerと殆ど同義であるという意見もあります。
もっとも特許出願の拒絶に対する訴えのような行政裁判の場合、“Solicitor”として判決文に登場するのは、政府側で事務を担当する法律家です。
→Solicitor(事務弁護士)とは
ACounselの内容
(a)知的財産の分野で言えば、現行米国特許法で均等論の適用が最初に争われた電気溶接用フラックス事件(グラバータンク事件)においては、“Counsel”は特許出願人の発明と先行技術との差異を理解するために、実験室や工場を訪問する判事の付添人として登場します。
(GRAVER TANK & MFG. CO., Inc., v. LINDE AIR PRODUCTS CO.339 U.S.
605)
(b)また特許非侵害確認訴訟で略式判決が出されたことの是非を問うマットレス・サポートでは、“Counsel”は特許出願日以前の先行技術に関する情報をやり取りする連絡役として登場します。
(CAP EXPORT, LLC v. ZINUS,INC.No. 2017-1540) →Summary
Judgementのケーススタディ1
こうした“Counsel”の多様な活躍により米国の裁判手続は支えられています。
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留意点 |
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