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 パテントに関する専門用語
  

 No:  1313   

Sua Sponte Summary Judgement/特許出願/禁反言

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

Sua Sponte Summary Judgement(自発的略式判決)

意味  Sua Sponte Summary Judgement(自発的略式判決)とは、米国の裁判制度において正規の事実審理(トライアル)を省略して至る判決を求める動議を言います。


内容 @Sua Sponte Summary Judgementの意義

(a)米国の裁判制度において正規の事実審理(トライアル)を省略して至る判決のことを、Summary Judgement(略式判決)と言います。

 一般的に略式判決は、一方の当事者の意思により、略式判決の動議が提出されることにより行われます。
Motion of Summary Judgement(略式判決の動議)

(b)しかしながら、裁判所が主導して略式判決に至る場合があります。すなわち、一方の当事者の請求というより、むしろ裁判所自身のmotion(動議)により、裁判所が略式判決を出すようなケースです。

(c)判例によると、自発的略式裁判について次のように説諭されています。

・“確立された法慣習によると、地方裁判所は、敗訴側の当事者にその旨が通知された場合に限り、自発的に略式裁判を行うことができる。当該当事者が全ての証拠を提出できるようにするためである。”

"It is well established that a district court has `the power to enter summary judgment sua sponte, so long as the losing party was on notice that she had to come forward with all of her evidence.'"
Mikkelsen Graphic Eng'g, Inc. v. Zund Am.,Inc., 541 F.App'x 964, 972

・“たとえ申立人(moving party)からの略式判決のクロスモーションがなくても、敗訴側の当事者(losing party)が争点に関して十分にかつ公正に意思表明をすることができるのであれば、裁判所は、自発的な略式判決をすることができる。”

"Even when there has been no crossmotion for summary judgment, a district court may enter summary judgment sua sponte against a moving party if the losing party has had a full and fair opportunity to ventilate the issues involved in the matter."

Albino v. Baca,747 F.3d 1162, 1176 (9th Cir. 2014)

ASua Sponte Summary Judgementの内容

(a)例えば特許侵害事件において、トライアルの途中において、特許出願の日前の有力な先行技術が発見され、それにより、特許の有効性に関する争点として、略式判決に至ることができる場合には、裁判所は、他の争点(例えば特許発明の技術的範囲への属否、特許出願の経緯による禁反言の主張の可否など)に関する審理を省略して、略式判決を出すことができます。

 但し、特許無効による非侵害の略式判決を出すのであれば、敗訴側当事者である特許権者にその旨の通知することが必要です。

 例えば、特許出願日前に存在していたという先行技術の成立性や本件特許発明との相違点に関して公正に意見が言えるようにするためです。

(b)そうした事例として、CAP EXPORT, LLC v. ZINUS, INC.No. 2017-1540があります。

 特許侵害をしていない旨の確認訴訟において、裁判所は、特許権者に対して、特許性の有効性に関する略式判決の動議を出すことを命令し、この動議に基づいて、特許非侵害の略式判決を出したのです。

 おそらく裁判所、特許出願日(優先権が主張される場合には優先日)以前に存在した先行技術から見て特許の有効性だけを判断すれば十分と考えたのだと思われます。

 敗訴側の当事者(特許権者)に対して略式判決の動議を提出するように命じたのだから、特許権者に対して略式判決は全くの不意打ちではなかったにせよ、先例に従った“通知”は行われませんでした。

 特許権者は、この判決を不服として控訴し、控訴理由の一つとして、前述の通知がなかったこと、特許無効の根拠となった技術が特許出願日(この場合には優先日)に先行する(predate)ことに対して反論する機会が与えられなかったことを、主張しました。

 控訴裁判所は、特許権者の主張を認めて、ケースを地方裁判所に差し戻しました。
 →Summary Judgementのケーススタディ1



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