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 パテントに関する専門用語
  

 No:  1324   

特別評決/特許出願人/進歩性

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

特別評決(Special Verdict)

意味  特別評決 (Special Verdict)とは、特定の事実に関する結論を述べる評決を言います。


内容 @特別評決の意義

(a)特別評決は、刑事裁判及び民事裁判のどちらにも存在します。

 ちなみに刑事上の特別評決は、罪の有無の宣言以外のもの、すなわち、“有罪”・“無罪”というワンワード又はツーワードの一般的な評決以外のものです。

 ここでは主として民事上の特別評決に関して説明します。

(b)民事上の特別評決とは、責任(liability)−例えば過失責任−の有無の宣言以外の事柄、例えば特定の金銭的損害に関する結論を述べることです。

(c)もちろん、陪審が恣意的に特定の事実に関して見解を示すのではありません。まず裁判官が特定の事実に関して陪審の問いかけを発し、これに答える形で特別評決が出されます。
陪審説示におけるSpecial interrogatories(特別の質問)とは

(d)特別評決に対する概念として一般評決があります。→一般評決とは

(e)民事における特別評決は、刑事におけるそれほど珍しいものではありません。

 事件の内容が内容が複雑なケースでは、陪審に特別評決を出させることにメリットがが出されることにメリットがあると言われています。

 これにより、裁判官は、特定の事実問題に関して陪審の考え方を確認できるし、敗訴側の当事者が控訴を行う際に争点が明確になるからです。

A特別評決の内容

(a)特許訴訟も多くの場合に“複雑な”ケースに該当します。

 例えば発明の自明性(特許出願前に公開された発明から容易に発明できたかどうか)という特許要件の問題一つとっても、

(イ)特許発明(或いは特許出願人の発明)と先行技術との差異、先行技術の範囲と内容、当該分野における当業者のレベルをどうするのかか、

(ロ)阻害要因などの二次的な考察の必要性

 などの段階を踏んで判断しなければならないからです。

(b)過去の事例として、特許の有効性が争点となった事例で裁判官が陪審に対して

(イ)特定のクレームの関して次のうちで○を付けよ。

・有効

・無効か、

(ロ)当該クレームが無効であるとすれば、無効理由は次のうちどれか。

・当該クレームは発明時(※1)において先行技術から自明であった。

・当該クレームに関して、特許出願の手続上でフロートがあった。

・当該クレームの特許出願はいわゆる冒認出願(真の発明者でない者による出願)である

 という形で問いかける陪審説示をしたところ、問いかけの内容が大雑把すぎるということで、そのことが控訴裁判所で争いになった例があります。

※1…この当時での非自明性(進歩性)の判断時は特許出願時ではなく、発明時でした。


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