No: |
1336 Credible Utility/特許出願 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Credible Utilityとは(特許出願の要件としての) |
意義 |
Credible
Utility(信頼できる有用性)とは、米国特許法第101条の有用性に関する用語であって、特許出願人の主張する特定的かつ実質的な有用性が信頼に値するときに用いられる概念です。
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内容 |
@Credible Utilityの意義
(a)米国の特許制度は、特許出願により開示された発明の公開の代償として特許権を付与する制度趣旨に鑑み、独占排他権の付与に値する発明を保護するために、発明の有用性を要求します(米国特許法第101条)。
(b)特許要件として要求される有効性は、第一義的には、特定的でありかつ実質的なものでなければなりません。
(c)ここで「特定的」とは、特許出願人がクレームする主題に対して特定的であり、かつ公衆に対して特別の利益を生ずるようによく限定されていることを言い(→Specific
Utilityとは)、また「実質的」とは、リアルな社会において利用されることを言います(→Substantial Utilityとは)。
(d)特定的・実質的な有用性が特許出願人により主張されたときには、当該発明の有用性が推定されます(In re Jolles, 628
F.2d 1322)。
(e)しかしながら、特許出願人が主張する特定的かつ実質的な有用性が様々な理由により信用できない場合があります。例えば、その主張が非論理的であったり、或いは発明が作動不良である場合です。
(f)こうしたことから、特許出願用審査マニュアル(MEPE)2017において、有用性に関してCredibilityという要件が要求され、また特定的、実質的な有用性を備えた上で、信頼性を獲得した状況を、specific
substantial creidible utilityと表現しています。
ACredible Utilityの内容
(a)MEPEによれば、有用性(特定的・実質的有用性)があるという特許出願人の主張は、次の場合を除いて信用できるものとされます。
・当該主張の論理に深刻な欠陥がある(seriously flawed)場合
・当該主張が基礎とする事実がその主張の論理と矛盾する(in consistant with)場合
(b)有用性に関する特許出願人の主張が信用できない状況とは、当業者が現代的な知識(contemporary
knowledge)から見て前記主張を信用することができず、かつ現代的な知識から示唆されることに関して特許出願人から反論がない場合です。
例えば特許出願人が永久機関(perpetual motion
machine)を発明したと主張しているごとき場合です。自然法則に反しているからです。
(c)米国特許商標庁は、発明の有用性を拒絶する場合には、特許出願人がクレームした発明が有用性を欠くとすることの一応の証拠(prima
facie)を示す必要があります。
(d)発明が全く作用不能(operative)である場合には、発明の有用性を否定する根拠となります。 →Inoperative
(作用不能)とは
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留意点 |
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