内容 |
①付記登録の意義
(a)付記登録とは、他の特定の既存登録に付記され、その内容の一部を変更する登録を言います。
例えば登録名義人である会社の表示(社名)が変更になった場合(→変更登録とは)や当該表示の誤りを訂正した場合(→更正登録とは)が該当します。
(b)特許の登録制度では、不動産の登記に由来する用語が多く使用されています。そして不動産登記では、一般に受け付けた順番により順位番号が付され、登記者の権利の優先順位が決まります。この順位という概念は特許原簿にも採用されています(→順位とは)
しかしながら、登記名義人の表示の変更のように、独立して順位を付与する意味のない事柄に関しては、独立の順位番号を付与することなく、関連する既存の登記(主登記)に情報として付け加えられ、この登記の順位番号で処理されます。
これを付記登記と言います。
同様に特許原簿でも「付記登録」という概念があります。
②付記登録の内容
特許登録令には次のように規定しています。
(a)次に掲げる事項の登録は、付記によってする(登録令第四条)。
一 登録名義人の表示の変更又は更正
二 仮専用実施権に係る特許出願に係る特許を受ける権利を有する者の表示の変更又は更正
三 第四十一条第一項に規定する登録の更正(登録名義人の表示の更正及び仮専用実施権に係る特許出願に係る特許を受ける権利を有する者の表示の更正を除く。)
四 質権の移転又は信託による質権についての変更
五 一部が抹消された登録の回復
(b)次に掲げる事項の登録は、登録上の利害関係を有する第三者がない場合又は申請書に登録上の利害関係を有する第三者の承諾書若しくはその者に対抗することができる裁判の謄本若しくは抄本を添付した場合に限り、付記によってする(第五条)。
一 特許権以外の権利の変更(信託による特許権以外の権利についての変更を除く。)
例えば専用実施権に関して、契約の更改により実施権の期間・実施権の範囲・対価の変動であって登録上の利害関係がいないような場合には、その登録の変更は、登録の順位を変更する必要がないので、付記登録により行うことができます。
二 登録の更正(登録名義人の表示の更正、仮専用実施権に係る特許出願に係る特許を受ける権利を有する者の表示の更正及び第四十一条第一項に規定する登録の更正を除く。)
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