No: |
1374 事実証人(Fact
witness)/特許出願/進歩性 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
事実証人 |
意味 |
事実証人 (Fact
witness)とは、事実について自分が直接見聞きして知っておりかつ覚えていることを証言する証人を言います。
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内容 |
@事実証人 (Fact witness)の意義
(a)事実証人とは、ある事柄について直に経験し (first-hand experience)、知りえた事実に関して証言する者です。
すなわち、事実証人は、ある事実について自分が直接見聞きして知っており、かつ覚えていることを証言します。
(b)前述の直の経験により得た知識を“personal kowledge”(個人的知識)と言います。
こうした知識は、社会一般の共有財産となった知識(例えば特許出願の内容を公開により世間に知れ渡った知識)と異なり、証言者の陳述以外に、事実を確認する手立てがない場合が少なくありません。
(c)従って、米国の裁判制度では、証人を事実証人と専門家証人とに分けて、前者に対しては、直に経験した事実のみを述べ、意見を述べてはならないとしています。
こうした線引きをしないと、客観的事実と個人の意見と混じり合い、事実認定者をミスリードする可能性があるからです。
A事実証人 (Fact witness)の内容
(a)例えば、特許侵害訴訟であれば、争われている製品の構造や開発過程などの争点に関連する事実について、被告会社の社員を事実証人として、その証言することを求めることが考えられます。
この場合に、証人は、問われた事実のみを述べ、事実に添えて自分の意見を述べたり、或いは反論したりすることはできません。
(b)また被告からは、特許の有効性を検討するため、例えば裁判前のディスクロージャー(情報開示手続)において、技術開発や特許出願の手続の関係者に証言を求めることが可能です。
この場合にも、意見を交えずに事実のみを答える必要があります。
(c)事実証人の証言が重要な意味を持った事例として、「梳綿機」事件があります。これは、一見すると、先行技術の組み合わせにより進歩性(非自明性)が否定されるケースでありながら、証人の陳述などを考慮して先行技術の意味合いを検討し、逆の結論に至った事例です。
→事実証人 (Fact witness)のケーススタディ1
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留意点 |
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