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 パテントに関する専門用語
  

 No:  1375   

事実証人(Fact witness)CS1/特許出願/進歩性

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

事実証人 (Fact witness)のケーススタディ1

意味 事実証人 (Fact witness)とは、事実について自分が直接見聞きして知っておりかつ覚えていることを証言する証人を言います。



内容 @事実証人 (Fact witness)の意義

(a)事実証人の役割は、ある事柄について直に見聞きした個人的経験を、自分の意見を交えずに証言することです。

 経験・学識に基づいて意見を述べるのは、専門家証人の領分です。

 専門家でもないのに、事実に主観を交えて証言されると、事実認定者が混乱を生じたり、判断ミスをする可能性があるからです。

(b)特許訴訟では、一般論として、書証(書面で作成された証拠)での証明方法をとるのが有利です。

 例えば特許出願の時より前に特許発明の進歩性(非自明性)を否定しうる先行技術が存在したということを証明する場合に、人証のみで裁判官を納得させるのは簡単ではありません。人の記憶とは曖昧なものだからです。

 しかしながら、例えば書証の記載の意味内容を、明らかにするために、事情をよく知る技術者の証言を聴取することは利益があります。そうした事例として「梳綿機」事件を紹介します。

A事実証人 (Fact witness)の事例の内容

[事件の表示]ABINGTON TEXTILE MACH.WKS.v.CARDING SPECIALISTS LTD.249 F.Supp.823

[事件の種類]特許侵害事件(控訴審・請求棄却)

[発明の名称]梳綿機

[事件の経緯]

この事件は、ファインコットンの梳綿機の特許発明の侵害訴訟において、被告が特許要件の判断時において、類似の技術分野(ウール、ウーステッド、コットン・コンデンサー)に存在する先行技術の組み合わせにより特許発明に到達できるから特許無効である旨の抗弁をした事例です。

 引用文献だけを見ると、コットンとウールなどとでは隣接分野なので、自明性(進歩性の欠如)の無効に対して反論しがたいように見えます。

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 しかも、この裁判が提訴された時代の特許要件は判断時点は、特許出願時ではなく発明時でしたので、裁判の審理が行われた時点から見て発明時は相当昔のことであり、発明時の技術水準の認定は容易ではなかったものと思われます。

 それにも裁判官は、引用文献の記載内容を光を照らすために、当時の事情を知る証人の陳述を丹念に検討し、特許出願人の発明の技術分野(ファイン・コットン)と引用文献の分野(コットンなど)との間では、技術分野の交流がほとんどなく、技術分野の関連性がないので引用文献としての適格性がないと判断されたのです。
249 F. Supp.823「梳綿機」事件



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