内容 |
@当事者対立構造の意味
(a)民事裁判では、通常、裁判権を公平に行使するため、対立する当事者双方を手続に関与させ、それぞれの主張と証拠をぶつけ合うのです。
(b)民事裁判では、当事者対立構造を基本とするため、1人では、両当事者を兼ねることができません。
従って訴訟中に対立当事者の立場の混同が生ずれば、訴訟は消滅します。 →混同とは
(c)三面訴訟の場合には、3当事者が対立する構造となり、いわゆる二当事者対立構造ではありません。
→三面訴訟とは
A当事者対立構造の内容
(a)特許法の当事者系審判、例えば特許無効審判では、当事者対立構造を採用します。
例えば特許出願日前に公知の先行技術の組み合わせから特許発明が容易に発明できたととして無効審判が請求された場合に、請求人を一方の当事者、被請求人(特許権者)を他方の当事者とします。そして、請求人に特許無効の主張及び証拠の提出を行わせ、これに対して、被請求人に対して、反論の機会を与え、審判官がアンパイアの立場で、双方の主張を吟味するのです。
特許法の審判制度では、職権主義が採用されているので、立法論として、審判請求書及び必要な証拠を提出した後には、請求人は審理に関与しないという構造を取ることも可能ですが、当事者対立構造を取ることにより、より審理の適正化と公平とを図ることができると期待されます。
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