No: |
1485 Four scorners
rule/特許出願/進歩性 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Four corners rule |
意味 |
Four corners
rule(フォー・コーナーズ・ルール)とは、契約法において、或る書面の意味は、当該書面の4つの隅(コーナー)の内側に記載された事項から採用しなければならないという原則を言います。
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内容 |
@Four corners ruleの意義
(a)フォー・コーナーズ・ルールは、もともと米国の幾つかの州において導入されたルールです。
例えば、SMS
DEMAG事件では、イリノイ州のフォー・コーナーズ・ルールとして、“仮に書面での合意が曖昧でない(unambiguous)のであれば、当事者の義務は、外部証拠を用いることなく、契約書の文言に基づいて決定されなければならない。”とルールを適用しています。
これは、プレイン・ミーニング・ルール(plain-meaning rule)とも呼ばれ、書面の解釈に関する原則です。
→プレイン・ミーニング・ルール(plain-meaning rule)とは
(b)この原則が“Four corners
rule”と称される由来は、或る契約の法律的なパーツが当該契約書のページの4つの隅の内側にあることを示唆しているからです。
仮に、“4つの隅の外にある証拠”、すなわち契約書外の証拠(外部証拠)が書面での合意と矛盾する場合には、そうした証拠は法廷では採用されません。
(c)フォー・コーナーズ・ルールと類似の概念として、口頭証拠排除原則があります。 →parol evidence
rule(口頭証拠排除の原則)とは
AFour corners ruleの内容
(a)特許出願が新規性・進歩性等の実体審査を通って独占排他権(特許)が発生した場合には、当該特許出願人は、patent
owner(特許権者)としての地位を享受し、ライセンス契約や譲渡契約により、特許発明の活用を図ることができます。
(b)これらの契約の際には、契約書が作成されます。契約書を作成するときには、フォー・コーナーズ・ルールの存在を前提として、必要な事項を全て網羅するべきです。
例えば、特許関係の契約で問題になるのは、後日特許が無効であると判明した場合の取り扱いです。
特許出願が許可される条件として、前述の新規性・進歩性(非自明性)などの特許要件があります。
たとえ米国特許商標庁がどれだけ頑張ったとしても調査できる新規性・進歩性の判断資料の範囲には限界があります。
従って、特許出願人に独占排他権(特許権)が付与され、当該特許権に基づいてライセンス契約や譲渡契約が交わされた後に、新規性・進歩性等を否定する証拠(特許出願の有効出願日前の先行技術)の存在が判明することがあります。
このような事態に陥る可能性は経験則として少なくないので、予め、そうした場合の当事者の義務を定めておくのが通常です。
仮に契約後に進歩性等を否定するような先行技術が見つかっても、ライセンサー(特許権者)はライセンシーが被った不利益を賠償する義務を負わないし、受け取ったライセンス料も返還しないという決め事(免責条項)を契約書に定めることがあります。
こうした免責条項が契約書に明記されているのに、ライセンシーが、“ライセンシーは特許が無効になるようなことは絶対にないと断言した。”と口約束の存在を主張しても、裁判所では取り合ってくれません。
口約束ではなく、メールや覚書でそのように述べたとしても同じことです。
契約書の四つのコーナーの外の証拠だからです。
(c)前述のSMS
DEMAG事件では、特許のreassignmentに関してフォー・コーナーズ・ルールの適用が論点となっています。 →Four
corners ruleのケーススタディ1
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