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@Judgementの意義
(a)判決の意義としては、第一に、当事者間の争いを決着させ、当事者双方の権利及び義務を明らかにすることが挙げられます。第二に、いかなる理由でどういう決着に至ったのかを公開し、これを以て社会の秩序を維持することです。
(b)当事者の権利及び義務に関する決定は、court order(裁判所の決定)として強制力を持ちます。
(c)判決の理由の元になるのは、成文法(憲法を含む)及び判例法です。
(d)英米法では、かつてコモンロー裁判所の判決を“judgement”と、また平衡裁判所の判決を“decree”と区別していました。しかしながら、裁判所法によりコモンローと平衡法とが融合されてから、用語も前者に統一されました(一部の法分野に例外あり)。
→Decree(判決・命令)とは
(e)判決の種類としては次のものがあります。
・Consent
Judgment(和解判決)
和解判決は、当事者同士の紛争に関して民事裁判であれば当事者の義務という形でなく解決に至ることです。日本でいう裁判上の和解に相当する概念です。
例えば特許侵害訴訟において、侵害の有無に最終的な決着を付けると原告・被告双方に負担が大きいため、そこに至らない段階で原告に被告に対して実施料を支払うという形で紛争の解決を図るような場合が該当します。
・Declaratory judgment(確認判決)
確認判決は、法律的に不確定な事柄を確認するための判決です。
例えば或る特許に関して、特許権者以外の者が、その特許出願前に公開された先行技術の存在により当該特許は無効であり、特許発明を実施しても特許侵害とはならないことを確認したいという場合に行われます。
・Default judgment(欠席裁判)
欠席裁判は、当事者の一方(主として被告)が裁判所の招集に応ぜず、裁判に出席しなかった場合に、当事者の他方(主として原告)に有利に決定される判決です。
・Interlocutory judgement(中間判決)
中間判決は、訴訟中に発生した実体上・手続上の中間的争点について決定するものを言います。
中間判決は、最終判決に対する概念です。判事により行われます。
・Summary judgment(略式裁判)
略式裁判は、トライアルを省いて早期に下される判決を言います。
当事者は、重要事実に関する真正の争点がないと考える場合には、略式判決のモーションをすることができます。
例えば特許侵害訴訟において、最終的な判断(特許侵害の有無)を論ずる以前に、特許の有効性の欠如(特許出願前の先行技術に対して特許発明は新規性・進歩性を有しないなど)に関して明白な証拠があるとして、当事者が略式判決のモーションを行う場合があります。
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