体系 |
特許申請及びこれに付随する手続 |
用語 |
発明の詳細な説明 |
意味 |
発明の詳細な説明とは、特許出願の明細書の必須記載事項であって、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)がその実施をすることができる程度に明確にかつ十分に記載するべき欄です。
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内容 |
@特許出願人は、新たに創作した発明を社会に発表することの見返りとして特許権の付与を求める趣旨から、国に対して発明を文章により開示しなければなりません。そして開示の程度は、世間の人(当業者)が実施できる程でなければ、発明の有用性により産業活動に寄与する特許出願の意義を果たすことができません。
A発明の詳細な説明に記載すべき対象は、発明が実施しようとする課題及びその解決手段など当業者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項です。
B発明の詳細な説明に記載すべき程度は、当業者が容易に実施できる程度です。
発明の詳細な説明には、発明の実施形態を記載し、より具体的な実施例を必要により記載します。なお、パリ条約優先権を利用して米国特許出願をする予定があるときには、最良の実施形態を記載する必要があります。(→Best
Mode要件とは)
Cさらに発明の詳細な説明には、特許出願に係る発明に関連する文献公知発明の情報の所在を記載しなければなりません。特許調査に役立つ事項だからです。
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留意点 |
特許出願人の開示義務に関して述べた判例として例えば平成17年(行ケ)10579号があります。
“明細書及び図面に記載した事項と特許出願時の技術常識とに基づいて、当業者が発明を実施しようとした場合に、どのように実施するかが理解できないとき(例えば、どのように実施するかを発見するために、当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤等を行う必要があるとき)には、この規定の要件が満たされていないことになる。”
具体的には「像処理装置、像記憶装置及び像再現装置」に関する特許出願において、本願発明(特許出願に係る発明)の「光源の所定の位置の関係に対して付けられる重み係数」を求める方法などに関して当業者が実施できる程度の記載がないとされました。
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