体系 |
特許申請及びこれに付随する手続 |
用語 |
要約書 |
意味 |
要約書は、特許出願の願書の必須添付書類であり、技術情報として用いられます。
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内容 |
①特許出願の新規性・進歩性を判断するためには特許調査が不可欠です。調査の方法としては、キーワード検索及び特許分類検索がありますが、何れの方法を利用したとしても、検索によりヒットした相当数の特許公報から目的とする先行技術を、特許出願の内容を読んで選別する必要があります。そこで特許出願の内容を最も良く知る出願人に要約書を作成させ、特許出願の願書に添付させることにしました。
②要約書には、特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した発明の概要を記載するものとされています。通常は、語数の制限から、特許出願に係る発明(請求項に記載した発明)を中心となりますが、法律上の建前としては、技術情報としての意義より、特許出願の開示内容全体の概要を記載すべきとされています。
③こうした意義より、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するにあたって、特許出願の願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮することができるのに対して、要約書の記載を考慮することはできないと定められています(第70条第2項、第3項)。
④また要約書には、特許公報に掲載することが最も適当な図の図番号を記載する必要があります。
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留意点 |
③に関係して、日本国の特許出願に基づくパリ条約優先権を主張して米国特許出願をする予定がある場合、米国の裁判所は権利範囲の解釈に要約書の記載を考慮しないというルールに拘束されないことに注意すべきです。クッションを構成要素とする、患者をサポートする支持表層(患者用寝床)の発明において、特許出願の要約書に“クッションが心地よいサポートを提供する”ことを強調していたために、後の訴訟で要約書と矛盾する特許権者の主張が否定された事例があります。[209
F.3d 1337]
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