体系 |
実体法 |
用語 |
設計的事項とは(進歩性) |
意味 |
進歩性審査基準では、特許出願に係る発明が進歩性を欠く場合として、「一定の課題を解決するために公知材料の中からの最適材料の選択、数値範囲の最適化又は好適化、均等物による置換、技術の具体的適用に伴う設計変更など」に言及しており、これを便宜的に設計的事項と呼びます。
→ordinary routine
practiceとは
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内容 |
@上述の進歩性審査基準は、“設計的事項は、当業者の通常の創作能力の発揮であり、相違点がこれらの点にのみある場合は、他に進歩性の存在を推認できる根拠がない限り、通常は、その発明は当業者が容易に想到することができたものと考えられる。”と述べています。
A技術は一定の目的を達成する為の具体的な手段であり、その目的に応じて材料や数値範囲を選択(最適の選択を含む)することは普通だからです。均等物による置換も同様です。
→均等物による置換とは
B技術の具体的な適用に伴う設計変更とは、例えば或る用途の技術を別の用途に転用する際に機能の延長線上で変更するような場合です。例えばある種の乗り物のブレーキを別の乗り物のブレーキに転用する場合に制動対象の重量に応じて制動力を調整することです。
Cもっとも設計変更などは対象物の機能の延長線上での変更と解釈するべきであります。引用文献から特許出願に係る発明の構成へ設計変更するために、引用発明の効果が変化してしまうような場合には、その変更が容易であることの裏付けが必要になります。
D判例の傾向として、発明特定事項の技術的意味が不明確(発明特定事項として採用した理由が不明確)であるときに、これを設計的事項と判断する傾向があります。従って発明特定事項を請求項に記載した理由を明細書にきちんと記載することが大切です。
→設計的事項と技術的意味との関係
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留意点 |
Cに関しては、進歩性審査基準は、引用発明である押し花製造方法に用いられる補強材を、補強材を用いない押し花方法(周知技術)を参考として省略することを容易であるとした事例を挙げています(平6(行ケ)82、83号)。周知技術を証拠に挙げたのが重要です。
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