内容 |
①特許出願に係る発明と引用発明との相違が、両者の数値範囲の相違のみでありかつ課題が共通するときには、前者は後者の延長線上にあると考えられます。
②引用発明の延長線上にある請求項の発明について進歩性が認められるためには、その数値範囲に臨界的意義があることが要求されます。
進歩性は、特許出願時の技術水準に対して飛躍的に優れた発明に対して認められるべきだからです。
③進歩性審査基準によれば、昭和63年(行ケ)107号「人工芝生製運動競技場」の発明に関して、
(イ)引用発明において当該競技場に付設される芝目ないに付設する不規則な角張った形状の粒状材料として川砂を選択することは当業者が容易に想到し得ることであり、
(ロ)当該発明において「100メッシュ乃至14メッシュの範囲内にある程度のものを90%以上含んでいる。」とした点は、引用発明における粒度範囲50~12メッシュのものと極めて近似し、作用効果において格段の差がないから、引用発明に基づき本願発明の如く構成することは、当業者が格別の相異なしになし得る程度と言える。
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