内容 |
①中心限定主義は、周辺限定主義と対立する概念です。
②また中心限定主義は、クレームの文言通りの範囲を超える保護を認めるという点において、均等論(doctorine of Equivalence)と軌を同じくする概念です。
③中心限定主義において、特許権の範囲がどこまで及ぶかは、関連分野の従来技術に対する発明者の実質的な貢献の度合いで定められるとされていました。
④特許出願人は、自分がどういう発明をしたのかを文章にして役所(アメリカであれば米国特許商標庁)に提出する必要があります。書面により、特許出願人に独占させるべき縄張りの範囲を確定するためです。しかしながら、自らの発明を他人に説明するときには、それがどういう原理で作用するのか、従来技術に比べてどう優れているのか、というところを強調するあまり、縄張りの範囲がどこまでなのか、という点は、あいまいになりがちです。
⑤かつての米国特許法は、クレームの書き方の不出来によって発明者(=特許出願人)が不測の不利益を被ることのないように、中心限定主義を採用していました。
⑥しかしながら、特許権の拘束を受ける同業者からみると、クレームの文言を離れてどこまで権利の効力が及ぶか判らないという点において、中心限定主義は怖い解釈です。
⑦そこで上記改正により、米国特許法は周辺限定主義へシフトしたと考えられています。もっとも均等論が生きているので、完全な周辺限定主義ではありません。
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