パテントに関する専門用語
  

 No:  358   

特許出願(外国)/クレーム解釈/中心限定

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

中心限定主義

意味  中心限定主義(Central Claiming System)とは、特許明細書のクレームは特許された発明の中心を特定しているという権利範囲の解釈の手法であり、1870年の改正前の米国特許法はこの考え方を採用していたと言われています。


内容 @中心限定主義は、周辺限定主義と対立する概念です。

Aまた中心限定主義は、クレームの文言通りの範囲を超える保護を認めるという点において、均等論(doctorine of Equivalence)と軌を同じくする概念です。

B中心限定主義において、特許権の範囲がどこまで及ぶかは、関連分野の従来技術に対する発明者の実質的な貢献の度合いで定められるとされていました。

C特許出願人は、自分がどういう発明をしたのかを文章にして役所(アメリカであれば米国特許商標庁)に提出する必要があります。書面により、特許出願人に独占させるべき縄張りの範囲を確定するためです。しかしながら、自らの発明を他人に説明するときには、それがどういう原理で作用するのか、従来技術に比べてどう優れているのか、というところを強調するあまり、縄張りの範囲がどこまでなのか、という点は、あいまいになりがちです。

Dかつての米国特許法は、クレームの書き方の不出来によって発明者(=特許出願人)が不測の不利益を被ることのないように、中心限定主義を採用していました。

Eしかしながら、特許権の拘束を受ける同業者からみると、クレームの文言を離れてどこまで権利の効力が及ぶか判らないという点において、中心限定主義は怖い解釈です。

Fそこで上記改正により、米国特許法は周辺限定主義へシフトしたと考えられています。もっとも均等論が生きているので、完全な周辺限定主義ではありません。


留意点

次ページ

※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。


 

パテントに関する専門用語一覧へ戻る




今岡憲特許事務所 : 〒164-0003 東京都中野区東中野3-1-4 タカトウビル 2F
TEL:03-3369-0190 FAX:03-3369-0191 

お問い合わせ

営業時間:平日9:00〜17:20
今岡憲特許事務所TOPページ |  はじめに |  特許について |  判例紹介 |  事務所概要 | 減免制度 |  リンク |  無料相談  


Copyright (c) 2014 今岡特許事務所 All Rights Reserved.