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421 特許出願等の処理(外国)/裁判所/巡回
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体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Circuit Court |
意味 |
Circuit
Court(巡回裁判所)とは、イギリス・アメリカに存在する裁判所の一種であり、三審制の第2審に相当するものです。
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内容 |
①“巡回”裁判所という名称は、イギリスにおいて、裁判制度が未熟だった時代に、裁判所が各地を巡回してことに由来するものです。中央から派遣された裁判官が審議に加わって地方裁判所の判決に対する不服申立を審理したのです。→Court of Appeal
②アメリカには、連邦裁判所(主として連邦法に関連する事件を管轄する裁判所)と州裁判所(主として州法に関する事件を管轄する裁判所)とがあり、それぞれに「巡回」の名称を用いる裁判所があります。ここでは連邦裁判所のCircuit Courtに関して解説します。
③Circuit Courtには、通常の12のCircuit Courtと、CAFCとがあります。両者の相違は次の通りです。
(イ)管轄する範囲
通常のCircuit Court→一般的な法律問題
CAFC→特許や著作権などの特定の法律問題
(ロ)管轄する地域
通常のCircuit Court→各裁判所に割り当てられた巡回区
CAFC→アメリカ合衆国全域
④すなわち、連邦裁判所の制度では、アメリカ全土を12の地区(巡回区)に区画して、各巡回区内の事件をそれぞれ通常のCircuit Courtが管轄します。但し、特許や著作権の訴訟などの一定の法律問題に関しては、アメリカ全土の事件をCAFCが担当します。
⑤なお、商標(サービスマークを含む)は、通常のCircuit Courtの管轄です。例えば特許出願の要件{新規性や非自明性(進歩性)}を判断する場合と比べて、それほど高度の専門性を必要としないからです。
⑥Circuit Courtの判決は先例として同一巡回区内のtrial courtを拘束します。→先例拘束性の原理とは(意義)
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留意点 |
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