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533 特許出願の意義/受ける権利・譲渡性 |
体系 |
特許申請及びこれに付随する手続 |
用語 |
特許を受ける権利の譲渡性 |
意義 |
特許を受ける権利とは、国家に対して所定の要件を具備する発明について特許出願をすることで特許権の設定を要求できる権利であるとともに、その設定前にあっては発明の支配を目的とする権利であり(29条1項柱書)、譲渡することが可能です。
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内容 |
@特許を受ける権利の譲渡性を認める意義
特許を受ける権利の譲渡性は、発明を個人(発明者)の財産と認める権利主義に立脚するものです(→権利主義とは)。すなわち、個人の庭に自生した草木が当該個人のものである如く、発明者の脳裏に宿った技術的思想は発明者のものである、ということです。発明を個人(発明者)の財産と認める以上、財産の活用手段として、特許を受ける権利の財産性を認めるのも当然の成り行きであります。
特許法第33条第1項は、「特許を受ける権利は、移転することができる。」旨を定めています。特許を受ける権利が(特許出願により)国家に特許を請求できる公権的性質も有することに鑑み、その点に引きずられて反対の解釈を生じることがないように注意的に規定したものです。
A特許を受ける権利の譲渡の制限
(a)特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができません(特許法第34条第1項)。
例えば甲が特許を受ける権利をまず乙に、次に丙に2重譲渡し、丙が最初に特許出願としたときには、乙は丙に対して対抗することができません。しかしながら、甲・乙の当事者間では譲渡は効力が発生しているので、乙は甲に対して債務不履行による責任を追及できます。
(b)他方、特許出願後における特許を受ける権利の承継(一般承継を除く)は、特許庁長官に届けなければ効力を生じません(特許法第34条第4項)。
特許庁が常時特許出願の名義を把握できるようにするためです。
B特許を受ける権利の譲渡の手続
特許出願後に特許を受ける権利の譲渡をしたときには、特許出願人の名義変更をしなければなりません。具体的には名義変更届を提出する必要があります。
→特許出願人の名義変更とは
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留意点 |
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