パテントに関する専門用語
  

 No:  553   

進歩性審査基準/特許出願の要件(外国)/一応自明性

 
体系 実体法
用語

notorious knowledge

意味  米国特許出願や欧州特許出願の実務で使用される言葉であり、“公然の知識”、“周知の知識”という程度の意味です。


内容 ①notorious knowledgeの意義

 Notorious knowledgeは、概念として広く知られているという程度の意味です。

 日本の進歩性審査基準では「周知技術」という用語が使用されますが、これは、証拠を出す迄もなく公知であるという場面で使用されます。証拠を出そうとすれば出せる筈のものです。

②欧州特許出願のガイドラインでのNotorious” Knowledgeの用例

(5) Notorious” Knowledge
The amended Guidelines clarify that where the technical aspects of computer-implemented inventions and business methods are so well known that their existence at the priority date cannot be reasonably disputed (so-called “notorious knowledge”) the search report need not cite any specific documents.

〔修正されたガイドラインは、コンピュータで実行される発明及びビジネス方法の技術的な側面が優先日においてよく知られており、合理的に議論しがたいもの(いわゆるnotorious knowledge)であるときには、サーチレポートが特定の文献を示す必要がことを明らかにした。〕

Notorious knowledge should not be confused with “common general knowledge” which is the knowledge of an ordinary practitioner in the relevant technical field.

〔Notorious knowledgeは、“common general knowledge”(普遍的かつ一般的な知識)、すなわち関連する技術分野の通常の実務者の知識と混同されてはならない。〕

As before, where the EPO assert that a technical aspect is common general knowledge this should be supported by basic handbooks and text books and can be contested if documentary evidence is not provided.

〔以前と同様に、EPOが技術的側面が普遍的かつ一般的な知識であるというときは、これは基本的なハンドブックやテキストブックで裏付けれなければならず、文献的な証拠付けがないときにはこれを争うことができる。〕


留意点  日本の進歩性審査基準では、「『周知技術』とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、これに関し、相当多数の公知文献が存在し、又は業界に知れわたり、あるいは、例示する必要がない程よく知られている技術をい(う)」とされています。


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