体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Divisional Applicationとは(分割出願) |
意味 |
分割出願(divisional application)とは、米国特許出願の一形態(continuing Applicationの一種)であって、元の特許出願の一部に関して原出願日を確保しつつ行う特許出願です。
|
内容 |
①特許出願人が分割出願を行う意義
特許出願は複数のクレームを含めることができますが、保護を求める範囲が広すぎると、米国特許商標庁が特許出願人に対して保護を求める範囲を限定するように要求します。
→限定請求とは
分割出願は、限定請求に応じた結果として、保護を求める範囲から外れた発明について別途権利化する機会を特許出願人に与える意義を有します。
日本の分割出願では、単一性違反の解消のための請求の範囲の発明について行う分割出願と、出願書類(請求の範囲・明細書・図面)に記載された発明について行う自発的な分割出願とがありますが、前者に対応するのが米国の分割出願です。後者に対応する制度と継続出願があります。
→Continuation Applicationとは(継続出願)
②特許出願人が分割出願を行う利益
分割出願の実体審査では、基礎の特許出願の日を基準として特許要件(新規性・進歩性)が判断されます。
③特許出願人が分割出願をすることの不利益
分割出願の存続期間は、基礎の特許出願の日から20年間で終了します。
分割出願の時期が遅れると、徒に存続期間が短くなりますので、保護の必要がある発明については、限定請求後遅滞なく分割出願を行うことが望ましいと言えます。
④特許出願人が分割出願をするときの手続
(a)特許出願人は、特許証が発行されるまで分割出願をすることができます。期間の徒過を回避するために、当該特許出願に対して特許料(Issue Fee)を支払うまでに分割出願を行うことが奨励されます。
(b)分割出願では、基礎の特許出願に開示されていない新規な事項を追加することができません。
⑤特許出願人が分割出願をしたときの影響
分割出願においては、元の特許出願の出願日を享受できる反面、元の特許出願での審査経過が一部継続出願により取得したpatentの解釈に参酌できるという原則(包袋禁反言の原則)が適用されると解されます。
→分割出願とprosecution history estoppel(包袋禁反言) →Continuing Applicationとは(継続的な特許出願)
|
留意点 |
|