内容 |
①ネットワークの外部性の意義
(a)情報技術の分野では、ネットワークで提供されるサービス(或いはネットワークに使用する製品)の価値が、それらサービスや製品自体の品質よりも、ネットワークを利用する利用者数などの外的な要因に大きく左右されることがあります。
(b)例えば仮にある携帯電話会社の機種が幾ら優れていても、同じ会社の携帯電話同士でしか通話できず、通話できる相手が限られているときには、需要者がその機種を選ぶメリットがありません。
(c)従って、こうした業種では、業界内の機種の相互互換性を高め、ネットワーク外部性が十分発揮されるようにする必要があります。
②ネットワークの外部性の内容
(a)ネットワークの外部性には直接的な効果と間接的な効果があります。
(b)前者は、上述の如く利用者数の増加により、利用価値が向上する(例えば通話できる相手先が増加し利用価値が高まる)ことです。これにより更に利用者数が高まります。
(c)後者は、ネットワークの規模の拡大により、そのネットワークに使用されるソフトウェアの数も増えて、製品の利用価値が高まることです。
③特許出願とネットワークの外部性との関係
(a)特許出願の手続を行うときには、業界毎の事情を考慮して特許出願の対象を選ぶことが重要です。
(b)ネットワークの外部性が強く現れる業界では、例えば相互機種の互換性に関する技術に特許出願をして権利化しておくことが重要かもしれません。それにより、自分にとって重要なコア技術を守るための参入障壁を構築できる可能性があるからです。
→参入障壁とは
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