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616 Same-invention type double
patenting/外国特許出願の要件/特許権の存続期間 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Same-invention type(同一発明型)の重複特許 |
意味 |
“Same-invention type”(同一発明型)の重複特許とは、米国の特許出願実務でのダブルパテントの態様の一つであり、ダブルパテントの中核部分、すなわち“同じ発明(same
invention)”に関するものです。
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内容 |
①“Same-invention type”の重複特許の意義
(a)米国特許法第101条は、特許の基本的要件として次のように規定しています。
新しくかつ有用なプロセス・機械・生産物・物の成分、或いはそれらの新しくかつ有用な改良を発明した者は誰であれ、この章に定める条件又は要求を満たすことを条件として、一つの特許(a patent)をえることができます。
“Whoever invents or discovers any new and
useful process, machine, manufacture, or composition of matter or
any new and useful improvement thereof, may obtain a patent
therefor, subject to the conditions and requirements of this title.”
(b)この条文を作成した者が“a patent”(一つの特許)という言葉にそれだけの意味を持たせていたかは、疑問なしとしませんが、とにかくこれがdouble patentingを禁止する根拠となっています。
(c)明文法に規定される重複特許であるので、法定重複特許ともいいます。
(d)米国のダブルパテントは、一つの特許出願から派生する特許出願の間での関係が問題となります。
実質的な特許権の存続期間の延長となるから、また権利の抵触を生ずるからです。
②“Same-invention
type”の重複特許の判断手法
(a)特許出願の審査においてこの法定重複特許の成否は次のように判断されます。
(イ)審査対象である特許出願のクレームが、比較対象である特許或いは他の特許出願のクレームを侵害することなく、文言侵害することができるか否かをチェックする。
(ロ)審査対象である特許出願のクレームに属し、かつ対比対象である特許出願等のクレームに属しない実施例があるかどうかをチェックする。
(b)すなわち、比較対象である特許出願等のクレームを侵害することなく、審査対象である特許出願のクレームを文言侵害できるのであれば、そもそも法定重複特許であるかという問題は生じません。そして比較対象である特許出願等のクレームに属さず、かつ審査対象である特許出願のクレームに属する一つの実施例があれば、法定重複特許であるというのは、適当ではありません。
(c)例えば審査対象である特許出願のクレームの発明特定事項である化合物Aと、比較対象である特許出願のクレームの対応する発明特定事項である化合物a(Aの下位概念)とが一致しないときには、法定重複特許の問題ではありません。
(d)さらに審査対象である特許出願のクレームと、比較対象である特許或いは特許出願のクレームとが同じ発明概念に向けられているものの、異なる米国特許分類に属するときには、“同じ発明”(same invention)であるとは考えられません。 →Same-invention type(同一発明型)の重複特許のケーススタディ1
③“Same-invention type”の重複特許に対する対応
(イ)審査対象である特許出願のクレームと、対比対象である特許出願等のクレームと“Same-invention type”の重複特許に該当するときには、当該クレームを削除するか、或は異なる米国特許分類に属するようにな補正をすることが奨励されます。
(ロ)このタイプの重複特許では、単にTemninal disclaimerを提出するだけでは、double patenting rejectionを回避することができません。
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留意点 |
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