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@特許出願の拒絶理由の限定列挙の意義
(a)法律上の一部の要件として、択一的な事柄を条文に列挙するときには、例示列挙と限定列挙とがあります。
(b)例示列挙は、一部の要件に該当する単数又は複数の事柄を例として挙げることで、要件の輪郭を推察させる手法です。
(c)他方、限定列挙は、挙げられた個々の事柄に意味があり、そこから適用要件を類推することができません。
A特許出願の拒絶理由を限定列挙した理由
(a)特許出願人が国に対して権利を求める根拠として、国家の恩恵を求める立場(恩恵主義)と、創作は本来創作者に帰属するものという立場(権利主義)とがあります。
(b)日本の特許法は後者の立場をとっています。
(c)従って、立法者が予め定めた理由以外の事柄により、審査官が特許出願を拒絶することはできません。
B特許出願の拒絶理由の限定列挙の内容
特許出願を拒絶すべき理由として限定列挙された事項は次の通りです。
〔1号〕新規事項を追加する補正・発明の特別な技術的特徴を変更する補正
〔2号〕権利能力の欠如・発明性違反・産業上利用可能性違反・新規性違反・拡大された先願の地位の要件違反・特許を受けることのできない発明・共同出願要件違反・先願主義違反
〔3号〕条約違反
〔4号〕特許出願の明細書の記載要件違反・特許出願の単一性違反
〔5号〕特許出願人の先行技術文献技術開示義務違反
〔6号〕特許出願の原文新規事項の追加・
〔7号〕冒認による特許出願
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