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655
均等物による置換1/進歩性審査基準/特許出願の要件/阻害要因 |
体系 |
実体法 |
用語 |
均等物による置換のケーススタディ1 |
意味 |
均等物による置換は、日本の進歩性審査基準によれば、通常の創作能力の発揮であり、それが唯一の相違点であるときには、他に進歩性を推認させる事情(阻害要因等)がない限り、進歩性は認められないとされています。ここでは国内の事件から、均等物による置換を考えるのに参考となる事例を挙げます。
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内容 |
①事例1
[事件番号]
平成26年(行ケ)10071号
[判決言い渡し日] 平成26年12月24日
[発明の名称] 果菜自動選別装置用果菜載せ体と果菜選別装置と果菜自動判別方法
[主要論点] 引用例の適用に伴う不利益を阻害要因と認定することの是非
[置換の内容] バケット式の果菜載せ体を他の技術分野(機械製品の搬送)のベルト式の載せ体に置換すること
[審判部の判断]
審判では落下により傷物となり易い果菜の転送に落下し易いベルト式の載せ体を採用することには阻害要因があるとして置換の困難性を認めました。
[裁判所の判断]
引用例同士を組み合わせることの動機付けがあると認められる場合に、引用例の開示内容をそのまま適用することに技術的不利益があっても、それが回避可能な不利益であるものであるときには、必ずしも阻害要因とは認められません。
→均等物による置換とは(進歩性)
〔コメント〕
特許出願に対する拒絶理由(進歩性)の反論として、単なる技術的不利益に基づく阻害理由の存在に頼り過ぎるのは危険です。技術の進歩は通常何等かの不利益があるのが通常であり、その不利益の回避を試みるのは、当業者にとって当たり前のことだからです。その不利益を回避するために特許出願人がどう工夫したのか、その工夫がありふれたものでないかを強調することが重要です。
→均等物による置換のケーススタディ2(国外事例)
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留意点 |
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