体系 |
権利内容 |
用語 |
不当な取引制限のケーススタディ(独占禁止法) |
意味 |
独占禁止法上の不当な取引制限とは、事業者が、契約・協定などにより、他の事業者と共同して、対価の決定・維持引き上げ、数量・技術・製品・設備・取引の相手方の制限など相互に事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいいます(※1)。
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内容 |
①不当な取引制限の意義
(a)独占禁止法は、市場における不当な取引制限を排除して自由競争を促進しようとするものであり、他方、特許法は、特許出願を通じて開示された新規な発明の公開の代償として、独占排他権を設定し、その権利権利の範囲内で他人による業としての発明の実施(商取引を含む)を規制して、産業の発達を図るものです。
(b)2つの法律は、法目的を達成するための手法において顕著に対立します。
(c)例えば権利者が実施権を設定許諾するとき(特許出願人が仮専用実施権の設定・仮通常実施権の許諾を含む)に、製品の品質を一定のレベルに保つために、材料の等級や原材料の産地に条件を付けるのは「不当な」取引制限に該当しないと考えられますが、正当性を欠くときには、独占禁止法に違反する可能性があります。
②不当な取引制限の内容
(a)私的独占に該当するか否かの判断基準は、取引の制限に関して共同の意思が存在することと、相互拘束性があることです。
(b)形式的には特許権の行使であっても、独占禁止法が排除しようとする独占形態(カルテル)に近いものとなるときには、私的独占と判断される可能性が高まります。
(c)私的独占に該当するか否かは公正取引委員会が決定します。
③不当な取引制限の具体例
独占禁止法上不当な取引制限に該当する可能性が高い行為を例示します。
〔行為の前提〕一定の製品市場で競争関係に立つ事業者が、製品を供給するために必要な技術を相互に利用するためにパテントプールを形成した状況。
〔行為の内容〕パテントプールを通じて必要な技術のライセンスを受けるとともに、当該技術を用いて供給する製品の対価、数量、供給先等についても共同して取り決める行為は、当該製品の取引分野における競争を実質的に制限すること。
それ以外に関しては下記を参照して下さい。 →不当な取引制限のケーススタディ1
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