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 パテントに関する専門用語
  

 No:  694   

進歩性審査基準/特許出願の要件/阻害要因・目的違反1

 
体系 実体法
用語

阻害要因のケーススタディ(目的違反の改変)1

意味  阻害要因とは、当業者が引用発明から特許出願に係る発明へ到ることを妨げる要因をいいますが、その類型の一つとして、特許出願の発明への改変が引用発明の目的に反する場合があります。そうした事例をケーススタディします。


内容 @事例1

〔事件番号〕

平成8年(行ケ)第91号(拒絶審決取消訴訟)


〔発明の名称〕

インダクタンス素子


〔本件特許出願の内容〕

横向きのボビン筒状部の両側に鍔を設け、各鍔から突出する基板への接合用のピンの中間部を外下方へ下る折曲部としてなる、インダクタンス素子。


〔改変の内容〕

平板の逃がし孔に下端側を挿入させた素子(トランス)から側方へ延びるターミナルピンを、当該平板に接続してなるトランス取付装置(引用文献1)に、引用文献2のコイルのベースから側方へ突出する折曲部付きの端子ピンを適用する。


〔引用発明の目的〕

インダクタンス素子の薄型化を図ること。


〔裁判所の判断〕

トランス取付装置に、引用文献2のコイルのベースから側方へ突出する折曲部付きの端子ピンを適用すると、折曲部の高さだけ素子の高さが増してしまい、逃がし孔を設けてまで高さを低減する引用例1の目的に反するから、そうした変更は(極めて)容易とは言えません。


留意点

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