今岡憲特許事務所マーク

トップボタン
 パテントに関する専門用語
  

 No:  713   

シフト補正の禁止/特許出願の意義/進歩性

 
体系 特許申請及びこれに付随する手続
用語

シフト補正の禁止とは(特許出願の)

意義  シフト補正の禁止とは、特許出願人が拒絶理由通知を受けた後に、その特許請求の範囲の内容を、審査官が新規性・進歩性等の判断を示した請求項に対して単一性を有しない発明へシフトすることを禁止するルールをいいます(特許法第17条の2第4項)。


内容 @特許出願のシフト補正の禁止の意義

(a)特許出願人は、当初には保護を求める発明の範囲をできるだけ広く設定したいと考えるものですが、非常に広い請求項1にぶら下がる(従属する)多数の請求項を設けた結果として、請求項1の発明が先行技術に対して新規性を有しないものとなってしまったときには困った問題が生じます。

(b)特許庁としては、そうした過剰に広い保護範囲には付き合い切れませんので(∵審査請求料に見合う範囲を超えて審査の負担が増大することになるので)、請求項1に従属する請求項の全てを審査するのではなく、先行技術に対して技術的な貢献〔Specific Technical Feature(以下、STFという)〕を有する発明を含む請求項のグループ(当該請求項及びその従属項)に限定するのです。

(c)特許庁の立場としては、本来、そうした請求項のグループの範囲で特許出願をするべきだったからです。ここでSTFとは、おおよそ新規性の要件を超えるが、進歩性の要件のレベルには足りないという程度の意味です。

(d)その場合、特許出願人が、審査官の審査が行われた請求項のグループルとの別の内容の請求項を残して、他の請求項を削除することができるとすると、審査官の審査結果が無駄になってしまいます。

(e)こうしたことを防止するために、平成18年改正でシフト補正の禁止が規定されました。


A特許出願のシフト補正の禁止の内容

(a)特許法第17条の2第4項には、具体的に次のように規定されています。

“特許請求の範囲について補正をするときには、その補正を受ける前に受けた拒絶理由通知において特許を受けることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第37条の発明の単一性の要件を満たす一群に発明に該当するものとなるようにしなければならない。”

(ロ)例えば請求項1は新規性なし(STCもなし)、請求項2は進歩性なし(STFはあり)、請求項3は未審査であるという拒絶理由通知が出された場合に、請求項1〜2を削除して請求項3を残すことはできません。

(ハ)拒絶理由通知を受ける前には、こうした規制を受けずに補正することができます。


留意点

図面

次ページ

※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。


 

パテントに関する専門用語一覧へ戻る




今岡憲特許事務所 : 〒164-0003 東京都中野区東中野3-1-4 タカトウビル 2F
TEL:03-3369-0190 FAX:03-3369-0191 

お問い合わせ

営業時間:平日9:00〜17:20
今岡憲特許事務所TOPページ |  はじめに |  特許について |  判例紹介 |  事務所概要 | 減免制度 |  リンク |  無料相談  


Copyright (c) 2014 今岡特許事務所 All Rights Reserved.