体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Means Plus Function Claimの取り扱い(米国特許出願) |
意味 |
米国特許出願においては、“means for
….ing”のような機能的表現を使用するクレームを、Means Plus Function
Claimといいます。ここではこの種のクレームの取り扱いに関して言及します。
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内容 |
①特許出願中のMeans Plus Function Claimの取り扱い
(a)米国特許法(35.U.S.C.)第112条の第6パラグラフには、(Means Plus
Function)に関して次のように規定しています。
「組み合わせに関するクレーム中の要素は、その構造、材料又はこれを裏付ける作用を詳述することなく、特定の機能を達成する手段又は工程として記載することができる。
このようなクレームは、明細書に記載されたそれと対応する構造、材料又は作用及びこれと同等のものを含むと解釈されるものとする。」という規定部分により、機能的なクレームの表現が認められている。
(b)すなわち、特許出願人が機能的表現を用いてクレームを作成すること自体は禁止されていません。しかしながら、その機能的表現と他の要件とが組み合わせになっていることが条件です。
“温度が上昇すると音を発生する手段。”の如き機能的表現それ自体がクレームになっているような書き方をすると、特許出願の拒絶理由となります。
→Single Means Claimとは
(c)後述のようには限定的に解釈されるのが通例ですので、米国特許出願ではこの書き方は避けるか、或いは、Means Plus
Function Claimと通常の物のクレームと併記するように配慮することが奨励されます。
(d)またMeans Plus
Function Claimの機能と対応する実施例が特許出願の明細書に記載されていないときには、当該特許出願の拒絶理由となります。
特許出願人としては対応する実施例を記載しているつもりでも、審査官から見ると十分な対応関係が取れていないと判断されることが少なくなく、注意が必要です。
②特許後のMeans Plus Function Claimの取り扱い
(a)Means Plus Function
Claimにおいて、“AとBとを連結する手段”というような表現をしたときには、保護範囲が実施例に記載されたものと限定されますが、これは、通常の物のクレームで上位概念的な表現(例えば“連結具”)を使用した場合に比べて、権利範囲が却って狭くなってしまう可能性があり、この種のクレームの問題点と考えられます。
(b)またMeans Plus Function
Claimの機能と実施例とが十分に対応していない特許出願が審査で改善されずに特許となった場合には、特許が無効とされる理由となります。
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留意点 |
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